栗山工業株式会社
【社長インタビュー 後編】 飾らない素顔の奥の静かに燃える情熱。栗山社長が見据える、栗山工業と茨城の建設業界の未来
前編では、栗山社長の会社や仕事への考え方、栗山工業株式会社という会社について、たくさんお聞きしました。後編では、栗山社長のパーソナリティも含めて、お話を聞いていきます。ぜひ、前編の方も読んでみてください(前編記事のURL)落ち着いていた幼少期と今でも続く本からの学び鈴木:ここからは、栗山社長ご自身のパーソナリティについても深くお聞きしたいです。もともと生まれも育ちも美浦村だそうですが、昔から地域への愛着は強かったのですか?栗山氏:いや、高校生くらいまでは美浦村はダサいなというか、「村かぁ...」みたいに思っていて、愛着なんて全然なかったですよ(笑)。でも、自分も50を過ぎたので、今は何かしら恩返ししていきたいなという思いはありますね。鈴木:子どもの頃は、どんなお子さんだったんですか?栗山氏:めちゃくちゃ内向的だったと思います。あまり人とコミュニケーションを取るのが得意じゃなくて、家の中でもずっと閉じこもっているような子どもでした。鈴木:そうだったんですね。何かスポーツなどはされていましたか?栗山氏:水泳はずっとやっていましたが、それは親にスイミングスクールに行かされていたからで、自分からやろうと思ったわけでもなく、今思うとそんなに楽しいものでもなかった(笑)。中学校まで水泳をやって、高校では水泳部がなかったのでハンドボール部に入りました。鈴木:なぜハンドボールを選んだんですか?栗山氏:サッカーほどメジャーじゃなくてちょっとマニアックで、競技人口の規模感がちょうどいいハンドボールが自分に合っていて、社会人でもクラブチームで続けました。あとは高校時代、バンドもやっていたんですよ。鈴木:バンドですか!担当は何だったんですか?栗山氏:ベースです。なぜベースかというと、単に空いていたからっていうのと、内向的な性格を引きずっていたのであんまり目立ちたくなかったから(笑)。ボーカルやギターじゃなくて、ベースだと適度な感じで目立たない。当時は極力目立たないように生きていましたね。鈴木:なるべく空気のように目立たないように(笑)。その頃は本なども読まれていたんですか?栗山氏:高校生の頃はちょっと卑屈になっていたので、太宰治みたいな、読むと落ち込むような小説ばかり好んで読んで、「こういう世界もあるんだな」と人の気持ちを知る勉強にしていました。鈴木:休日は読書をすることも多いそうですが、今はどんな本を読んだり、勉強をしているんですか?栗山氏:読書自体はずっと好きなんですが、卒業して社会人になってから、仕事の必要性に駆られて勉強し始めたんです。学生時代は勉強が大嫌いで「三角関数なんていつ使うんだよ」って真面目にやっていなかったんです。でも、今のICTやデジタルをやろうとすると、sin・cos・tanみたいな数学的知識って現場でめちゃくちゃ使うんですよね(笑)。鈴木:まさか大人になって三角関数を使うとは(笑)。栗山氏:「あ、勉強って役に立つんだな、ちゃんとやっておけば役に立つのに」と痛感して、そこから知識を補填するために本を読み漁るようになりました。経営理念を作ろうと思ったのも『ビジョナリー・カンパニー』の本を読んだのがきっかけですし、サイバーエージェントの藤田社長の本や、タリーズを日本に持ってきた松田公太さんの本を読んで、「新しいことにチャレンジしていく大切さ」を学び、自分もそういうことをやってみたいと思うようになりました。個人の挑戦から業界の変革へ。小さな輪から紡ぐ「選ばれる会社」の未来鈴木:「失われた30年」の停滞期をずっと見てきたからこそ、新しい時代を作りたいという想いがあるのだとか。栗山氏:そうですね。バブルが崩壊して日本が停滞した時代を一緒に見て世の中に出てきたので、そういうものに反逆するというか、新しい時代を作りたいという思いは多分あったのかなと思います。鈴木:業界全体の盛り上げや、セミナー活動についてはどういった想いがあるのですか?栗山氏:私たちがこの業界に入職した頃は、私たちの世代(団塊ジュニア)的に仲間がたくさんいましたが、今の若い世代は人が減っていて、会社の中だけだと仲間を作るのが難しくなっている。だから、会社という狭い枠を飛び越えて、小さい輪からでいいから業界全体をつなげて、情報交換やこれからの建設業界のあり方を語り合える場を作りたいと思って、若い人を集めたセミナーや勉強会、飲み会をやっています。若い人と話すと新しい視点や考え方のトレンドが分かって、自分にとってもすごく広がりになっています。鈴木:地域への貢献という点では、美浦村で活動もされていますよね。栗山氏:毎月4日を中心に、月1回朝イチで会社周辺のゴミ拾い・清掃活動を定例で行っています。これは父親の時代から不定期でやっていたものを定例化したものです。父親の時代には、うちの会社のほかにグループ会社としてリサイクルで産業廃棄物処理を行う「株式会社美浦クリーン」ができたのですが、当時はスクラップ・アンド・ビルドが当たり前でリサイクルという概念が薄い時代だった。そんな早い時代に父親が新しい商売にチャレンジした姿を見ていたので、自分も新しいことにチャレンジしたいという思いがずっとあります。それが今のICTであり、もう一つのICTの会社も一緒にやっている理由です。鈴木:お父様のチャレンジ精神を受け継いでいるんですね。子供向けのイベントなどもされているとか。栗山氏:あとは、地域のイベントに工事車両や重機を持っていって、子どもたちに体験で乗ってもらう活動もしています。小さい子って重機が大好きなんですよ。でも成長するどこかのタイミングで興味がなくなって、業界に入る人が少なくなってしまう。だから「いかに子どもたちのワクワクを引き止め続けて、将来一緒に働けるか」は大きな課題ですね。鈴木:建設業のイメージそのものを、変えていきたいのですね。栗山氏:きつい、汚い、危険という「旧3K」のイメージがまだ根強いですが、実際はほとんどの会社が週休2日ですし、残業も少ない。ずっと現場で作業しなくてもいいようなスマートな働き方もできるようになってきている。ただ、それをまだ世の中に伝えきれていない。鈴木:確かに、災害時などにも一番に動くのは建設業ですしね。栗山氏:埼玉の道路陥没事故もありましたし、近年は大きな地震や台風などの災害が多い。そういうときに、建設業って「地域になくてはならない業者」だなと思うんです。だからこそ、変わってきている現状を伝えて、知ってもらえるように会社でYouTubeをやったり、個人のSNSで地道に発信したりしています。鈴木:お子様が3人いらっしゃるそうですが、そんなお子様たちも含めて、将来的な事業承継についてはどのようにお考えですか?栗山氏:10年後くらいを見据えたときに、グループ会社を含めて、バトンを渡す相手は社員の中からでも、第三者へのM&Aでも、子どもたちがやりたいと言ってくれれば子どもたちでも、誰でもいいと思っています。鈴木:誰が引き継いでもいいと。栗山氏: ただ、そう思ってもらうためには、会社が社会に必要とされていて、魅力的な会社になっていないといけない。社員が生き生きと働きやすくて、地域の人たちから「この会社ならここにあってもいい、必要だ」と思ってもらえるような魅力ある会社に体制を整えていくことが、今の私のテーマです。会社を急拡大させるつもりはないですが、現状維持は衰退を意味します。身の丈の中で、粛々と新しいデジタルや技術を取り入れながら前進していきたいですね。鈴木:過去の古い慣習を塗り替え、地域の未来を真摯に見据える栗山社長の覚悟が深く伝わってきました。栗山氏:あと最後になりますが、建設業も今本当に変わってきているので、栗山工業だけじゃなくて、これから仕事を探す皆さんの選択肢の一つに、ぜひ建設業も入れてもらえたらなと思います。鈴木: 業界全体の変化がしっかりと伝わるメッセージ、ありがとうございます!本日はお時間をいただきありがとうございました。インタビューを終えて今回は、栗山工業株式会社の栗山社長にインタビューをさせていただきました。今回のインタビューで最も印象に残っているのは、栗山社長の業界に対する想いでした。一企業での変革で終わってしまうのではなく、業界全体の未来を考えて、日々事業をされていたり、積極的に他社を巻き込んだセミナー等も開催しているといった部分に強い想いを感じました。実際に私自身も「建設業ってどういう業界なんだろう」というレベルでしか、建設業を知らず、記事内にもあった3Kのイメージが非常に強かったのですが、栗山社長のお話を聞いて、建設業界の変化や今後について理解を深めることができました。なかなか建設業界の人にお話を聞く機会も少なかったので、すごく貴重な機会になりました。また、組織の話になったときに「分業化」という話題になりました。今まで、分業化のイメージは単純に「たくさんの業務を分解して、それぞれを社員に任せる」というものだったのですが、今回の栗山社長のお話を聞き、業務起点ではなく、社員の方が何が得意なのか、はたまた何が不得意なのかを起点に考えたり、そういった部分を分業化の念頭に置いているという点が非常に興味深いと思いました。栗山社長は落ち着いており、寡黙な印象を受けますが、その中でも胸に秘めた熱い想いやそのお人柄を感じることができるインタビューでした。
栗山工業株式会社
【社長インタビュー 前編】 世の中に必要とされる会社へ――ICTやデジタルを武器に、次世代に引き継がれるものづくりを目指す栗山工業の挑戦
茨城県美浦村を拠点に、40年以上にわたり道路や上下水道といった地域のインフラを支え続けてきた栗山工業株式会社。歴史ある企業でありながら、近年はドローン測量や3Dデータを駆使した「最先端のICT施工」をいち早く導入し、業界のDXを牽引しています。 しかし、その挑戦の裏にあるのは、「強烈な危機感」でした。夜中まで働くのが当たり前だった旧態依然の建設業を、自らの手で変革しようと立ち向かう栗山秀樹社長。栗山社長の会社や仕事への想い、その人となりをお話ししていただきました。学生ライターの鈴木がインタビューさせていただきました。父親の背中を見て育った長男が、他社での修行を経て戻ってきた理由鈴木:まずは栗山工業さんの沿革や、事業内容を含めてどんなことをされている会社なのか教えていただけますか?栗山氏:栗山工業株式会社は昭和59年(1984年)創業で、40数年経つ会社です。主な職種は建設業の土木工事がメインで、美浦村を中心に、阿見町など茨城県の県南地域をメインエリアとしています。鈴木:茨城県の県南地域が中心なんですね。工事の割合としてはどのようなバランスなんですか?栗山氏:割合としては公共工事が8割、民間の工事が2割ほどですね。道路を作る工事や、上下水道のインフラ工事が多いです。鈴木:創業はお父様だそうですが、昔から「いずれは自分が継ぐんだ」という気持ちはあったのでしょうか?栗山氏:いえ、親から「継げ」と言われたことは一度もないんです。ただ、田舎で商売をしている長男というのもあって、なんとなく自分もそういうもんなのかな、というのはありました。鈴木:自然とその道に進むんだろうという感覚があったんですね。栗山氏:幼少期から自然と土や自然の中で遊ぶのが好きでしたし、父親の車の助手席に乗ったり、重機にちょっと乗らせてもらったりして、小さい時から興味があったんです。インフラ整備という仕事の性質上、「建設業はなくならないだろう」という思いもあり、自然とこの環境の中で育って「やってみようかな」となりました。鈴木:大学を卒業されてから、すぐに栗山工業に入社されたんですか?栗山氏:いや、最初は他の建設会社でお世話になり、現場のノウハウを勉強させてもらいました。修行時代ですね。当時の自分は建設業自体のことが全然わからなかったので、他の会社で8年ほどお世話になってから戻ってきました。「ないものを一つひとつ積み上げていく」——トンネル開通で知った土木の醍醐味鈴木:他社での修行時代も含めて、建設業という仕事の楽しさや喜びはどんなところにありますか?栗山氏:一般的なお仕事と違って、毎回毎回現場が違うところですね。環境も、作るものも違う。何もないところから一つひとつ積み上げて形にしていくモノづくりの観点が面白いです。鈴木:毎回違う環境だからこそ、それぞれの環境でのワクワク感がありそうですね。栗山氏:そうですね。作ったものを地域の皆さんに使ってもらえるのが一番のやりがいのなのかなって思います。鈴木:地域の方のためになっていると、目に見えて実感できる瞬間があるわけですね。栗山氏:修行時代の最後に担当した、守谷市のトンネル工事の現場が今でもすごく心に残っています。そこは本当に道路が何もない場所だったんですよ。そこに新たにトンネルを通して、道路ができて、それが地域の皆さんの生活のプラスの要素になっていく。道路が開通した後にそれが見に見えて分かったとき、「あ、社会の役に立っているな」と感じられました。今は現場を離れてしまったので直接的なものではないですが、自社で作ったものが使われるようになれば、それはそれですごい達成感というか、良かったなと思える大きな醍醐味ですね。急な事業承継で生まれた、次世代への「経営理念」鈴木:栗山工業さんの経営理念として「次世代に引き継がれる最高のものづくりを提供していく」という言葉がありますが、これは創業時からあったものですか?栗山氏:いえ、もともとうちの会社にはこういう理念や軸は一切なかったんです。これを創ったのは、自分が会社を継いだタイミングでした。鈴木:栗山社長ご自身が作られたんですね。そこにはどういった想いや背景があったのでしょうか。栗山氏:会社を継いだとき、「これから長く会社を続けていくためには、こういう一つ明確な軸がないとこれからの時代は難しいな」と思ったんです。鈴木:会社の軸が必要だと。栗山氏:企業って、世の中に必要とされないと生き残れないと思うんです。じゃあ、今の自分の立ち位置や会社の存在意義を考えたときに、何が必要か。自分たちが構築してきたものが社会に残り、次の世代にも引き継がれるような、いいモノづくりをしていきたい。それを社員の皆さんと共有しながら1日1日をやっていきたいなと思って今の理念を作りました。鈴木:経営の軸を作ろうとしたのですね。でも、事業承継のタイミングはかなり大変だったとお聞きしました。栗山氏:そうですね。父親が37、38歳くらいの若さで亡くなったんです。いわゆる事業承継って、本当は時間をかけて準備をしていくべきものなんですが、私の場合はあまり準備ができないまま、急に社長になってしまった。鈴木:心の準備もないまま社長に...。現場のこととはまた違いますもんね。栗山氏:現場のことはある程度わかっても、経営のことに関しては本当に素人でしたから。最初は資金繰りとして銀行にお金を借りたり、毎月の支払いのスケジュールを立てていったり、そういうのを全部自分でやらなければならなかったので本当に苦労したと思います。毎日深夜12時まで帰れない。かつての「旧3K」から、ICT施工による「省人化・定時退社」への大転換鈴木:栗山工業さんは、業界内でもかなり早い段階からICT施工やデジタル化に力を入れていますよね。そこにも何かきっかけがあったのですか?栗山氏:それはもう、自分がこの業界についてからの強い「危機感」です。同じ茨城県内でも地域によって全然状況は違うと思うのですが、その中で会社として生き残っていくためには、何かしら差別化できるところ、強みが会社として持っていないと生き残れないなと思ったんです。鈴木:他社との差別化ですね。それを考えた先がデジタル化だったということですね。栗山氏:ずっと何がいいのかなと考えて進んでいたときに、デジタル化っていうのは、これからなくてはならないところであるなと思ったので、そのICTに力を入れようと思いました。鈴木:実際にデジタル化を取り入れたことで、現場や社員の方の働き方に効果は出ていますか?栗山氏:すごく出ていますよ。現場において「省人化」と言って、人を減らして現場が回るようになりました。これによって、今の働き方改革の時代に合わせたスマートな働き方ができています。鈴木:昔の建設業のスタイルとは、時間の使い方も全然違いそうですね。栗山氏:私が若かった20代の頃なんて、残業バンバンやるのが当たり前のスタイルでしたからね(笑)。私が28歳くらいのときに現場に行っていたときは、大体毎日朝に現場に行って、夕方現場が終わって事務所に帰ってきてから、今度はデスクワークや次の日の準備をする。大体夜22時から24時くらいまでやって帰るのが当たり前でした。鈴木:朝から夜中の24時ですか...!1日の労働時間は相当なものですね。栗山氏:1日の労働時間でいうと12時間から14時間労働ですね。自分一人だけじゃなくて、みんな帰らないし帰れない。当時はそういう悪しき風習というか慣習が文化としてありました。鈴木:今はどれくらいの労働時間なんですか?栗山氏:今はそんなことできないですし、生活様式も変わってきましたからね。今はなるべく定時で上がって、土日は休んで家族とゆっくり過ごしたり、好きな趣味を見つけたりしてほしい。うちの現場でも、竣工前は書類を作ったり仕事が重なるので多少遅くなることはあっても、基本的には今だったら大体みんな定時で帰っています。ICTやデジタルの良いところを取り入れることで、昔ながらの良い技術も継承しながら、社会の風潮と合わせられるように進めています。得意なところで輝けばいい。分業化で個人の得意を活かす組織づくり鈴木:とはいえ、保守的なイメージのある建設業界の中で、現場の職人さんや社員の方に新しいデジタル機器やICTを浸透させるのって、すごく難しいことだと思うのですが、そのあたりはどうでしたか?栗山氏:そうですね、建設業界自体がかなり保守的ですし、新しいものが浸透しづらかったり、選択肢が少なかったりと課題はいろいろあります。しかも私自身もそんなにデジタルが得意なわけでもないんです(笑)。鈴木:栗山さんご自身も得意なわけではないんですね(笑)。栗山氏:ただ、新しいものを取り入れるのは嫌いじゃないので、自分一人ではできないからこそ、社員のみんなと一緒にいろいろ考えながら課題をクリアしてきたというのが最初ですかね。鈴木:組織への浸透や工夫という点では、いかがですか?栗山氏:工夫していることというか、意識していることとしては、人によって「得意・不得意」が絶対にあるということです。得意なところとそうじゃないところが出てくるのは当たり前なので、得意な人には3D測量などのICTをどんどん覚えてもらえばいいですし、得意じゃない人には少しずつ取り入れてもらうか、もしくは違うところで活躍してもらえばいい。鈴木:全員が同じことを完璧にできなくてもいい、ということですよね。栗山氏:はい。今考えているのは、もうちょっと「分業化」ができないかなということです。ICTをやる人はデスクワークの要素をもう少し増やす、現場が得意な人は現場の要素をもう少し増やす。その人によって、自分の得意分野でやりがいを持って働いていけるように、私も一緒にコミュニケーションを取ってやっていきたいと思っています。バーベキューなどの行事や趣味でつながる柔らかい風土鈴木:栗山工業さんで今働いていらっしゃる社員さんは、どういった方が多いですか?社長の視点から見ていかがでしょう。栗山氏:建設業界全体が高齢化していると言われますが、うちは30代もいますし、40代・50代が多くて、建設業界の中では割と若い人たちが多いかなと思います。鈴木:比較的若い層の方々が揃っているんですね。社内の空気感はどんな雰囲気ですか?栗山氏:会社の雰囲気も、昔の建設業のような強面な感じはなくて、割と柔らかい雰囲気ですね。自分で言うのもなんですけど、私自身がソフトな感じを出しながらやっているところもありますし、実際に働いているスタッフも柔らかい感じの人が多いと思います。鈴木:社内の雰囲気が柔らかい。何か普段のつながりが見えるようなエピソードはありますか?栗山氏:コロナ禍のときはなかなかコミュニケーションが少なかったんですが、少し前にみんなで宿舎のところで親睦のバーベキューをやったり、現場のチームごとに飲み会をやったりしていますね。鈴木:バーベキューや飲み会、すごくいいですね。プライベートでもつながりがあるんですか?栗山氏:共通の趣味でつながっている人も多いです。私はゴルフばかりやっていますが、社員同士で一緒に釣りに行ったり、サッカーを観に行ったり。みんなの趣味が多様化しているので全員で一斉に、とはならないかもしれないですが、それぞれの好きな楽しみの中でつながってもらえたらなと思います。鈴木:今後、新しく入ってきてほしい人はどんな方ですか?栗山氏:先ほど申し上げたように適性に応じた働き方を一緒に作っていきたいので、未経験者でも「パソコンが得意」「機械をいじるのが好き」「ずっと自然の中で過ごすのが好き」など、人それぞれの得意がある方であれば、楽しく働くことができると思います。鈴木:活躍している人の共通点を挙げるなら、どういった部分でしょう。栗山氏:「興味を持って仕事に取り組んでいる人」ですね。他には、「言われなくても自分で率先して考えて動ける人」。現場によって作るものも環境も携わる人も変わってくるので、その中で自分から動いていくというのは非常に大事な要素になってきます。こういったところは前提に、一緒に働いていくことを通しながら様々なことを吸収してもらえたらなと思います。前編では、栗山社長の会社や仕事への考え方、栗山工業株式会社という会社について、たくさんお聞きしました。後編では、栗山社長のパーソナリティも含めて、お話を聞いてきました。後編へ続く(後編記事のURL)
株式会社キャリコ
「新卒の」有料職業紹介を、私たちはやりません
これからの時代、大学時代に何を経験したかが、これまで以上に問われるようになります。AIが事務職や定型的な仕事を自動化していく。そうなると、雇用そのものが減っていきます。そして残された仕事の採用試験でも、企業はAIツールを使って、膨大な応募者の中から必要な人材を選別するようになります。学歴や資格だけでは足りなくなる。企業が見るのは、あなたが大学時代に何を経験したか、どう成長したか、その過程です。そんな時代に、「企業に紹介して終わり」のビジネスを、私たちはやりたくない。だから新卒の有料職業紹介はやらないと決めています。少し補足させてください。中途採用の紹介はやります。社会に出て、自分のやりたいことや向き不向きが見えてきた人が、次のステージに進む。そこに伴走するのは、人材会社の大事な役割だと思っています。ただ、新卒は違う。これから社会に出ようとしている学生にとって、最初の一歩は人生を左右します。その瞬間に「企業がお金を払うから企業を中心に考える」というモデルで関わってしまうと、学生の人生が、誰かのビジネスの中に飲み込まれてしまう気がするんです。私たちが大事にしているのは、学生のためになることを中心に考えること。学生の成長、学生のキャリア設計、そこが出発点です。だから新卒の紹介はやらない。代わりに、「コトバとシゴト」というイベントを通じて、企業と学生が出会うキッカケをつくる。その場づくりに対していただく費用で運営しています。お金の取り方も、私たちなりの考え方の表れだと思っています。なぜここまで「出会い」にこだわるのか。実は私自身の経験が原点です。私は高校までずっと、学校の先生になろうと思っていました。理由は単純で、学校の先生にしか会ったことがなかったからです。身近にいる大人がそれしかいなければ、自分の未来もその範囲でしか想像できません。でも大学一年生の時、ある経営者に会いました。その瞬間、世界が広がった感覚を、今でも覚えています。「人生って、こんな選択肢もあるんだ」と。そこから自分も起業の道に進みました。出会う人の多様性が、人生の選択肢を決める。これは私の実感です。そして地方の学生は、この格差が東京よりずっと深刻です。東京なら、ちょっと動けば多様な大人に会えます。長期インターンシップも当たり前にあります。でも地方はそうじゃない。仕事を経験できる場も、いろんなキャリアの大人に会える場も、圧倒的に少ない。それを少しでも変えたくて、私たちは「コトバとシゴト」というイベントを群馬県でやっています。このイベントには一つ特徴があります。企業名を、最初は明かしません。学生は、ブランドや知名度ではなく、その企業の人が何を考え、どんな仕事をしているのか、その本質と向き合うところから始まります。対話をして、お互いを知って、その後に初めて企業名を知る。先入観なしで人と人として出会える場をつくっています。そして、ここに参加してくれる企業のことも、少し話させてください。「コトバとシゴト」は、企業名を伏せて行うイベントです。だから、自社のブランドをアピールしたい企業や、目先の採用効率だけを考える企業は、正直、来ません。それでも来てくれる経営者や担当者がいます。彼らに共通しているのは、自分の会社の人手として学生を見ているのではなく、地域社会の未来の担い手として、目の前の学生を育てようとしている姿勢です。「うちで採用できなくてもいい。この子の人生の選択肢が広がるなら、それでいい」。そんな言葉が、本当に出てくる場なんです。自社のことだけじゃなく、地域を育む意志を持っている企業。私たちは、そういう大人たちと出会える場を、学生のために用意したいと思っています。アルバイトも一つの経験です。ただ、アルバイトは基本的に「与えられた仕事を、与えられた時給でやる」という受け身の経験になりがちです。これからのAI時代に学生が身につけるべきは、考えて、判断して、動くという主体性です。「コトバとシゴト」では、その主体性を試せる場を用意しています。参加の仕方は二つあります。一つは、学生として企業との出会いを経験すること。気軽に来てもらって大丈夫です。もう一つは、このプロジェクト自体に運営メンバーとして関わること。イベントを企画する側に回って、企業と学生の出会いをデザインする経験を積む。これはなかなか他にはない経験です。どちらでも構いません。大学一年生でも大丈夫。むしろ早く動き出した人ほど、出会いの数も経験の幅も広がります。就活は、三年生から始めるものじゃない。大学一年生のうちから、いろんな企業、いろんなキャリアの人に出会って、自分の人生をデザインしていく。そのキッカケを、私たちは創りたいんです。まずは気軽に、参加してみませんか。参加はこちらから。【https://forms.gle/ubHfq6s86Wx4UtMQ9】それから、「キャリコキャンパス」というSlackコミュニティもあります。学生同士がキャリアについて語り合える場です。ここから覗いてみるのもいいと思います。気軽に飛び込んできてください。待っています。
株式会社キャリコ
【企業インタビュー 株式会社タイヨー様】 創業60年の地域密着型企業タイヨーが貫く「人財教育」と、人財に求める“覚悟”
茨城県・千葉県を中心に地域密着型のスーパーマーケットを展開する株式会社タイヨー。今年で創業60周年、堅実な「無借金経営」を貫きながら着実に成長を続ける同社で、人財採用課マネジャーを務める松村朋幸氏に、タイヨーが求める人財や、大切な社員への教育方針、さらには面接官としてのリアルな評価基準から、これからのAI時代の採用論など、熱く語っていただきました。 学生ライターの鈴木がインタビューさせていただきました。株式会社タイヨー 人事部 人財採用課 マネジャー 松村 朋幸タイヨーの“正直さ”に惚れた。松村氏がタイヨーに入社した理由 鈴木:松村さん、本日はよろしくお願いいたします!まずは松村さんご自身がどのような経緯でタイヨーに入社され、今に至るのか、自己紹介を兼ねて教えていただけますでしょうか。松村氏:よろしくお願いします。私は1974年生まれで、大学を卒業した1997年に新卒でタイヨーに入社しました。実は、もともとは学校の教師志望だったんです。大学も茨城県内の教育学部で、中学校の社会科教員になりたいと思っていました。しかし、自分が思い描いていた教師像と、当時の学校現場の実情が違いすぎていたため、1年生の秋くらいに教師は諦めました。鈴木:教師を諦めた後は、どのように就職活動をされたのですか?松村氏:塾の内定をいただいたりもしたのですが、自分が甘えられる環境に行くのが嫌だったんです。だから就活の中では、常に厳しい方の道を選ぶというポリシーを持っていました。どうせ就職するなら楽して生きる道は選びたくなかった。そんな時に出会ったのが、タイヨーだったんです。鈴木:タイヨーとの出会いの中で、松村さんが惹かれた魅力は何だったのですか?松村氏:とにかく、うちは「嘘をつけない、正直な会社」です(笑)。私が学生時代にタイヨーの説明会に参加したとき、先輩社員に言われた最初のセリフが今でも強烈に残っています。「皆さん、タイヨーは低価格販売の会社なので、正直、勝つために売らないと儲からないです。お客さんもめちゃめちゃ多いですし、商品もいっぱい売らないといけない。作業量はめちゃめちゃ多いです。本当に忙しいですよ。忙しいのが嫌な人は絶対に今のうちにやめた方がいいです」と、はっきり言われたんです。鈴木:就職活動の場で、あえて厳しい現実を正直に伝えてくるのは当たり前だと思いがちですが、なかなかの衝撃だったのではないでしょうか。松村氏:すごいインパクトでした。でも私は、そこまで正直に厳しい面を開示してくれる会社だからこそ、深く信頼できるなと思ったんです。今の採用活動でもそのポリシーは全くブレていません。会社の良い面だけを伝えて、入社した後に「こんなはずじゃなかった」と辞められてしまうのは、学生にとっても会社にとっても一番不幸ですから。不利に見える情報であっても、覚悟を持って入ってきてほしいからこそ、最初からすべてを正直に開示します。会社説明:人を育てて着実に出店する、創業60年の「無借金企業」鈴木:ここで改めて、タイヨーさんがどういった会社なのか、詳しく教えていただけますか。松村氏:はい。タイヨーは今年(2026年)で創業60周年を迎えます。1966年に個人商店として始まり、1972年に会社組織になりました。現在は茨城県、千葉県、そして東京都まで、42店舗の地域愛着型スーパーマーケットを展開している企業です。鈴木:屋号もいくつか展開されていますよね。松村氏:主に「スーパータイヨー」「ビッグハウス」「ベストリカー」、都内は「イキイキ生鮮市場」という4つの店舗と、茨城・東京で「シャトレーゼ」のフランチャイズ店を4店舗経営しています。私たちの大きな特徴は、創業以来徹底して「無借金経営」を貫いていることです。バブル当時、大手の小売業者の中には借金をしてどんどん会社規模を大きくすることを目指した企業もありましたが、タイヨーの目的は会社の規模を大きくすることではありません。いかに人を育てながら、一つひとつ着実に出店していき、地域に長く必要とされる店を作っていくか。そこは創業から60年、全くブレていません。重要なのは「汗水垂らして、お客様のためになることを誇れるか」鈴木:タイヨーが求める人財像、面接の際に見ているポイントはどこにありますか?松村氏:まず大前提として、この業界が、そして「人と接すること」が嫌いではないことです。その上で、タイヨーは多くのお客様に信頼をいただいている分、はっきり言って忙しい会社です。私たちのビジネスモデルは、より多くのお客様に来ていただき、多くの商品を買っていただくことで、1個あたりの利益幅は小さくても最終的に会社としての利益を確保するスタイルです。どうしても、ある程度人海戦術になる部分があります。鈴木:その「忙しさ」の先にある意味を理解できるか、見出すことができるかということですね。松村氏:その通りです。単純に「負担が少ない仕事」を求めるなら、他を当たった方が正直いいと思います。ただ、世の中には、こうして汗水垂らして、お客様のために泥臭く働くことで、地域に貢献できる素晴らしい仕事がある。タイヨーがあることで地域の暮らしが向上し、全体的な生活水準が守られているという自負が私にはあります。その「地域への貢献」を誇りに感じられるかどうか、ある種の覚悟と決意があるかどうかを私は見ます。活躍する社員の共通点―― 研究熱心な人たちの大きな成長鈴木:実際に入社されてから、頭角を表す、活躍する社員にはどんな共通点がありますか?松村氏:一言で言えば「研究熱心な人」です。例えば、休みの日にわざわざ競合店を見に行って、「何か自店に使えるものはないか」「いいところはないか」と進んでネタ探し(いいとこ探し)をしているような主体的・自発的な人ですね。あとは「ものすごくメモを取る人」です。鈴木:メモ、ですか。具体的にどういった風にノートを活用しているのでしょう。松村氏:以前、すごく伸びた新入社員がいたのですが、仕事が終わった後に毎日ノートを書いていたんです。その日に先輩から指摘されたこと、自分で気がついたことを全部目に見える形にして書き残している。だから1年目の終わりにはノートがものすごく分厚くなっているんです。おもしろいのは、2年目、3年目になると、仕事ができるようになっていくのでノートの量がどんどん減っていくんです。鈴木:自分の成長が可視化されるのですね。松村氏:そうです。本人が成長を実感できると同時に、その分厚い1年目のノートは、次に後輩が入ってきた時の「教える材料(マニュアル)」になるわけですよ。お店の売り場の仕事って、一見すると毎日同じことの繰り返しに見えます。でも、その中で「新しくこういう手立てをやってみよう」「こうやって売ったらおもしろいんじゃないか」と日々考えて、いざチャンスが来た時のために自分の引き出し(準備)を作っている人。そういう姿勢で日々考えて動いている人は、自ずと目に見える差をつけて頭角を表してきます。「タイヨーを辞めても、社会で通用する人財を育てる」という教育方針鈴木:社員の教育や研修体制については、どれくらい力を入れているのでしょうか。松村氏:私たちは社員を「人財」と表すくらい、教育には投資しています。外部の方からも「タイヨーさんは研修の機会が本当に多いですね」と言われます。1年目の新入社員研修はもちろん、3ヶ月ごとのフォローアップ研修、さらに5年目までは「ステップアップ研修」として、同期が年に3〜4回必ず集まる定例の場を設けています。同期が集まって、オフィシャルな場面も含めて日頃の悩みを吐き出したり、情報交換をしたりする機会を作っています。鈴木:スーパーの専門知識だけでなく、もっと普遍的なビジネススキルの教育も行っているんですよね。松村氏:はい。主軸に置いているのは「社会人として、中堅になっていくプロセスで身につけるべき仕事の進め方や考え方」です。仮にこの会社を辞めることになったとしても、社会のどこに行っても通用する人作りをする。それがタイヨーの教育方針です。結婚や介護、引っ越しなど、人生には様々なライフイベントがあります。北海道や大阪に行ったら、タイヨーはありません。そのときに、うちで働いた数年間がリセットされてしまうのはあまりにももったいないじゃないですか。違う業界に行ったとしても、ここで身につけた仕事の進め方やマインドを持っていけるようにしてあげたい。それが、社員一人ひとりに対する私たちの想いです。鈴木:働くスタッフの方々は、どういった人柄の方が多いですか?松村氏:一言で言うと「キャラクターの濃い人」が多いですね(笑)。それと、ものすごく面倒見がよくて、人が困っていると放っておけない、おせっかいなくらい手を差し伸べるタイプが多いです。店舗のどこかの部門が忙しくて大変な時は、他の部門が自然と応援に入る。そんな「助け合い」の精神が流れる、温かさがある職場だと思います。もしインタビュアーの鈴木が面接に来たら?鈴木:ここで少し難しい質問をさせてください(笑)。もし、今こうしてインタビューしている私がタイヨーの面接に来たとしたら、松村さんはどう評価されますか?松村氏:そうですね、材料は少ないですが(商売の特性上、臨機応変な対応力は深掘りするとして)、まず私たちは接客業である以上、「笑顔」はものすごく大事な要素なんです。その点で鈴木さんはすごく良かった。何よりハキハキと喋って、伝えるべきところをしっかり伝える。声の大きさも含めて、非常に気の良い姿勢で接していただいたのは、面接官としても間違いなくすごく良い評価になります。鈴木:ありがとうございます!一番困ってしまうのはどういったタイプですか?松村氏:本当に一番困っちゃうのは、話が分かったのか分からないのかリアクションが薄かったり、返事が小さかったりするタイプですね。「言いたいことがあるなら言ってほしいな」ともやもやします。それだとお客様から見ても「いらっしゃいませ」すら言わない、聞いても要領を得ない、ということになってしまう。そうなると、もはや「人がそこにいる意味、人がやる理由」がなくなってしまうんですよ。それならAIやロボットを置いておいた方がいい、という話になってしまいます。「なんとなく大学に行きました」が一番危ない―― 激変する時代を生き抜く求職者へ鈴木:今の「人がやる意味」というお話は、これからの時代の求職者にとって非常に重要なテーマですね。松村氏:本当にそうです。個人的な意見として申し上げれば、これまでのような「売り手市場(人手不足だからなんとなく就職できる時代)」は、あと数年で、業界によっては完全に終わる可能性があると思っています。理由は、AIやITの劇的な進化です。大手企業であればあるほど、今まで新入社員や若手がやっていたようなホワイトカラーの仕事は、すべてAIに代替させた方が手っ取り早くて正確だということに気づき、莫大な投資を始めています。幹部候補となるような一握りの、高い専門性や実績を持つ優秀な学生には大きな投資をして採用するけれど、「普通の事務職、なんとなくの大卒」は必要ない、という時代がすぐそこまで来ています。鈴木:求職者側のハードルが、急速に上がっていくのですね。松村氏:はい。自分の市場価値を冷静に把握し、早くから将来のことを見据え、覚悟をもって自分を高めなければ、大卒ホワイトカラーの仕事には就けなくなります。一方で、私たちのような「現業職(現場で手を動かすような職業)」の価値や賃金は、これからものすごく上がっていくはずです。世の中、介護やゴミ収集、そしてお店で商品を並べて直接接客をする「人」がいなければ、現実問題として社会が回らないからです。鈴木:レジの自動化などはさらに進みますが、だからこそ「人の価値」が上がると。松村氏:その通りです。だからこそ「人がやる意味、人である理由」を突き詰められるかどうかに、これからの生き残る道があります。マニュアル通りのことしか言えないならロボットでいい。お客様に対してハキハキと、笑顔で、伝えるべき温かみをしっかり伝えられる。その「人だからこそ感じる良さ」を体現できる人財が、これからの時代に本当に求められる存在になります。なんとなく安泰を求めて大企業へ、という考え方は一番危ない。ぜひ、早いうちから社会の変化を見据えて、自分が本当に輝ける価値を模索してほしいですね。インタビューを終えて松村様とお話しさせていただき、社員の方への想いを非常に感じることができました。地域のため、タイヨーで働く方々のためという想いを人一倍感じるインタビューでした。また個人的にも、就活が始まる前の時期に人事の最前線でお仕事をされている松村様のお話を聞くことができ、学びと同時に、身が引き締まる思いです。松村様はお忙しい中ではあったのですが、終始笑顔で様々なことをお話ししてくださいました。タイヨーがもつ地域貢献への誇りは、売り上げや会社規模などの「見える部分」とは異なる大きな価値があるのではないかと感じました。社員のことをここまで考えているタイヨーで働くことは、大きな成長につながるのではないでしょうか。株式会社タイヨーのHPはこちらhttps://www.super-taiyo.com/株式会社タイヨーの求人情報はこちらhttps://www.recruit-super-taiyo.com/
株式会社 Plus One
【お店紹介】「会社の原点はここにある」―― Plus Oneの経営の根幹を作った、カフェ「foleclo」での苦労と気づき
茨城県鹿嶋市にあるカフェ「foleclo(フォリクロ)」。 地元で愛されるこの店は、株式会社Plus Oneにとって単なる一店舗ではありません。代表の久保様が挫折を味わい、学び、そして現在の「スタッフ第一主義」という考え方へと至った、まさに株式会社Plus Oneという会社の原点でした。 学生ライターの鈴木がインタビューさせていただきました。「一から店を作りたい」という想いから始まった、未経験の挑戦鈴木:本日はよろしくお願いします。今回はPlus Oneさんの原点である「foleclo」について伺います。そもそも、なぜカフェだったのでしょうか?久保氏:よろしくお願いします。実は、カフェなんてやったことなかったんですよ(笑)。当時は「一休(詳細は別記事)」を継いで数年経った頃で、「一から自分で店を立ち上げてみたい」という強い想いのようなものがありました。そんな時に親戚の税理士事務所が建つことになり、その1階で店をやらないかとお声がけいただいたのが始まりです。鈴木:修業中だったため、一度はお断りされたんですよね。久保氏:はい。でも震災の後にたまたま空きが出たと聞いて、「やります!」と即答しました。何をやるか悩んだ末、「カフェ飯」という言葉が流行り始めた頃だったので、「カフェならパスタも丼ものも何でもありじゃん」という、今思えばかなり安易な発想でカフェに決めました(笑)。鈴木:未経験でのオープン、現場は相当混乱したのではないですか?久保氏:前にその場所でやっていたお店のスタッフの方々を引き継がせてもらったんですが、僕が一番の新人みたいな状態でした。クーラーのスイッチすらどこか分からない状態でした。「僕がオーナーになったけれど、ここは僕の場所ではなくて、この子たちの場所に僕が来たんだな」と痛感しました。だからこそ、まずはスタッフの信頼を得るために、今日は誰にどんな話をしようかと、一人ひとりへの声掛けを緻密に計算して営業に入っていました。けっこう大変でしたよ(笑)。「俺が原因だった」―― 廃業の危機が教えてくれた経営の本質鈴木:オープン当初は順調だったのでしょうか。久保氏:最初の3ヶ月こそ「ご祝儀」みたいな感じで売れましたが、半年後にはもう潰れそうでした。「一休」のやり方が全く通用しなかった。当時は「一休からお金を持ち出すことになったらこの店は辞めよう」と決めていたので、本当に後がありませんでした。鈴木:そんな状況からどうやって立て直したのですか?久保氏:知り合いの社長に誘われて行った勉強会が転機でした。そこで講師をしていた方が僕と同い年で、同い年の彼が100人以上の前ですばらしい講演をしている一方で、自分は店を潰しかけている。その情けなさと悔しさに打ちのめされました。「足りないのはお金じゃなく、自分自身の学びだったんだ」と気づかされたんです。鈴木:経営者としての意識が根本から変わったんですね。久保氏:そうですね。それまでは、お恥ずかしながら「売上至上主義」や「自分がお金持ちになりたい」という考えでした。でも勉強を重ねるうちに、経営の目的が「お金」から「スタッフが楽しく明るく働ける場所を作ること」に変わったんです。僕の商売の原点は一休ですが、会社の原点は間違いなくこのfolecloの苦労時代にあります。「相手だったら」を考える鈴木:その気づきから、教育に力を入れ始めたのですね。久保氏:はい。当時は売上の5%、年間で200万〜300万円くらいを研修費に注ぎ込んでいました。「仕事を通じて人生を豊かにしてほしい」と伝え続け、知識が増えれば選べる人生の選択肢が増えるという話を何度もしました。「仕事」って、例えば出勤の時間や仕事のために早く寝るときなど、実際に仕事をしている以外の時間とかも合わせると、本当に人生の大半の時間を費やしていると思っています。そんな人生の大半の時間を豊かなものにしてほしいと考えています。鈴木:その研修や教育の中で、久保様が最も大切に伝えてきたことは何ですか?久保氏:結局、仕事も人間関係もすべては「自分が相手だったら、どう思うか」という一点に尽きると思うんです。例えば、料理が少し遅れたときに「遅くなってすみません」と一言添える。自分がお客様だったら、その一言があるだけで全然気持ちが違うじゃないですか。それを、スタッフに対しても、お客様に対しても、業者さんに対しても、徹底して想像することを伝え続けました。鈴木:「相手の立場に立つ」というのは簡単そうで、実は一番難しいことですよね。久保氏:そうなんです。「誰かのために」という気持ちだと、「誰々のためにやったのに」という考えになってしまいがちです。だからこそ「自分がどうするか」という独りよがりな基準ではなく、「その人だったらどう感じるか」を考え抜く。このマインドは徐々に組織内にも浸透してきています。鈴木:その成果が、成果が、2021年の店舗移転・一時休業の際に現れたと伺いました。久保氏:建物の契約満了で、一度店を閉めることになった時、コロナ禍も重なり、スタッフに「残るか辞めるか決めてほしい」と一人ずつ面談をしたところ、誰一人辞めなかったんです。正直、半分くらいは辞めてしまうだろうと覚悟していました。これは、「スタッフ第一主義」「スタッフが働きやすい環境づくり」をかかげてきた成果が少なからず出たのではないかと自信になりました。今後の展望について鈴木:現在の新しいフォリクロは、スタッフの方が自ら設計に携わったそうですね。久保氏:2024年に再オープンする際、昔からいるスタッフ2人に任せました。壁の色、床の色、照明、メニュー開発まで。大手では経験できない「自分たちの店を作る」というチャレンジをさせてあげたかった。結果、僕だったら考えもしなかった素敵なソファや照明が並ぶ、素晴らしい店になりました。鈴木:これからのfolecloは、どのような存在になっていくのでしょうか。久保氏:ここを会社の中の「教育の最先端」にしたいと考えています。単に作業ができるだけでなく、「心が伴った仕事」ができる人を育てる場所です。folecloのサービスを経験すれば、どの店に行っても通用する。そんな高いマインドとスキルを持った人を輩出する教育機関にしたいですね。鈴木:「ホールのサービスは料理をより美味しくも、まずくもできる」というお話も印象的でした。久保氏:そうなんです。ホールの仕事は気軽にできちゃうけれど、一流を突き詰めるとすごく難しい。本当のプロフェッショナルとして、どこに出しても恥ずかしくないサービスを提供できる人をここで育て、Plus One全体の質を底上げしていきたいと思っています。インタビューを終えて当然ながら「組織」というものは「人」で構成されています。なので、組織のメンバーたちがどのように働くのか、活動するのかという部分が組織を運営するにあたって非常に重要になってきます。人の考え方や行動を変えることは非常に難しいですし、時間がかかります。とくに、自分の向いている方向に無理やり向かせようとすると、他人を変えることなど不可能に近いと思います。しかし、話を聞く限り代表の久保さんは、本当に「従業員の方々の人生」を思って、教育や研修を行っていました。それは思っているよりも難しいことだと思いますが、そういった部分を妥協せずに行っているからこそ、お店が久保さんの価値観に共感する方々であふれているのではないかと考えました。また、インタビュー時には近くに従業員の方がいたのですが、「久保さんが教育や研修を通してよく言っていること」を尋ねた際に、すぐに答えていらっしゃったことが非常に印象に残っています。久保さんの考えや価値観がしっかりと浸透しているんだなぁと感じました。
株式会社しびっくぱわー
【社長インタビュー】「死ぬかもしれない」から始まった起業。迷ったら全部やる先輩が語る、茨城で“自己決定”するキャリア論
「迷ったら全部やる」。そんな強烈なポリシーを掲げ、つくばを拠点にコワーキングスペース「Tsukuba Place Lab」の運営や行政コンサルなど、あらゆるプロジェクトを牽引する株式会社しびっくぱわーの堀下恭平社長。筑波大学在学中に起業し、数々の「場」を作ってきたつくばのレジェンド的先輩に、イバキャリ学生編集部の山田が直撃インタビュー! 「なぜ茨城を選んだのか?」「どんな仲間と働いているのか?」――若者が茨城でキャリアを築くためのヒントが詰まった、熱すぎるインタビューをお届けします。「そこそこの人生」への危機感と、3.11の原体験山田:本日はよろしくお願いします! まずは、堀下さんが起業された経緯から教えてください。大学に在学している時から事業を始められたんですよね?堀下社長:大学1年の終わりがちょうど3.11(東日本大震災)だったんです。いつか起業しようとは思ってたんですけど、その時「本当に死ぬかもしれない」と思って。慌ててやりたいことをやらなきゃと、震災直後の3月31日には開業届を出しました。そこからカフェの立ち上げや、行政の計画策定支援などのコンサルを始めて、2014年12月に法人化しました。山田:「死ぬかもしれない」という衝撃が原動力だったんですね。周りの同級生が普通に就活をしていく中で、自分だけ起業の道へ進むことに不安はありませんでしたか?堀下社長:正直、全くなかったですね。むしろ、「そこそこ勉強して、そこそこの研究室に入って、そこそこの人生を送ること」に対してすごい危機感が強かったんです。他人と違うことへの不安感みたいなものは、今まで一度も感じたことがないですね。新しい挑戦がしやすい街、つくば山田: 堀下さんは熊本県のご出身ですよね。大学卒業のタイミングで東京に出たり地元に帰ったりせず、あえて「つくば(茨城)」を拠点に選んだのはなぜですか?堀下社長: 理由は大きく2つあります。1つは、当時の彼女(今の妻)が茨城のつくば出身だったこと。もう1つは、つくばは「新住民」が多い街で、何か新しいことを始めようとした時に足を引っ張る人がめちゃくちゃ少ないと感じたからです。新しい挑戦がしやすい街だからこそ、つくばで新しいことを始める人の挑戦を「応援」するのはすごく合理的でいいなと思いました。山田: 社名の「しびっくぱわー(Civic Power)」という社名も、そうした「応援」の姿勢と関係しているんでしょうか?堀下社長: そうですね。「市民の力を集結させたい」という意味でシビックパワーという音を先に決めました。ただ、僕ら自身が強くあるというよりは、みんなの意見を集約するような柔らかい役割になれるといいなと思って、ひらがな表記にしています。山田: 実際、いろいろな事業を展開されていますが、共通する「軸」はどこにあるのでしょうか?堀下社長: 基本的には「誰かの挑戦を応援する」というのが一貫した軸です。マイナスをゼロにするサポートというより、プラスをより大きなプラスにしていくことが得意領域ですね。アグレッシブに挑戦する人たちを支えた結果、今のコミュニティ醸成や企業支援に行き着いています。社員は起業家だらけ!? 妥協を許さない組織のリアル山田: 会社組織について伺います。堀下さんのようなカリスマ性のあるリーダーがいる職場って、社内の雰囲気はどんな感じなんですか?堀下社長: めちゃくちゃ距離は近いし、仲はいいと思いますよ。うちは僕以外、全員社員とインターンしかいなくて階層がないんです。今、社員が12名、インターンが35名くらいで、高校生インターンもいます。ただ、社員は僕より年上の方が多いですね。山田: どんな人材と一緒に働きたいですか? 逆に「こういう人は合わない」というのもあれば教えてください。堀下社長: やっぱり、自分自身も「チャレンジしている人間」がいいですね。うちの社員は、個人事業主だったり副業をしていたり、ほぼ全員が起業家なんです。逆に合わないのは、「他責な人間」「指示を待つ人間」「マニュアルがないと動けない人間」ですね。あとは、落ちているボールを見て見ぬふりする人も絶対に合いません。人間的に正しいことをするのが好きな人の方が合うと思います。山田: 厳しくも本質的ですね…! ズバリ、しびっくぱわーに入社すると一番鍛えられる能力は何ですか?堀下社長: 「人間的に信頼されるようになること」と、「言語化能力が身につくこと」です。 うちはフルリモート・フルフレックスで、関わる人は自分より忙しい人だという前提で情報共有を行います。抜け漏れなく、いかに少ない文字数で伝えるか。限られたリソースをどう使うかという責任を全うすることで、どこに出ても即戦力になるスキルとマインドが手に入ります。僕は基本的に、手を抜くことは許さないので(笑)。学生へのメッセージ「まずやってみろ、自分で決めろ」山田: 最後に、茨城でキャリアを築いていく若者や学生に向けて、メッセージをお願いします!堀下社長: まずやってみたらいいんじゃないですかね、何でも。 ただ、人に言われたことじゃなくて、「自分で決めたこと」をやり始めることはすごく尊いし、やり切ることはすごく大事です。だから、自分の好きなことをやったらいいと思います!【インタビューを終えて】 「そこそこの人生への危機感」から始まり、自ら挑戦して道を切り拓いてきた堀下社長。 「迷ったら全部やる」という言葉の裏には、他責にせず、自分の人生を「自己決定」するという強い覚悟がありました。 茨城には、こんな風に挑戦する人を全力で応援してくれる大人がいます。進路に迷っている学生や求職者の皆さんは、ぜひ一度、自分の直感を信じて「まずやってみる」ことから始めてみませんか?
株式会社 Plus One
【お店紹介】鹿島神宮の玄関口で「間」をデザインする。ジューススタンド「縁側」が Plus One にもたらす、目に見えない「サポート」という正義。
鹿島神宮の第一駐車場。参拝客が最初に目にし、最後に立ち寄るその場所に、小さなジューススタンド「縁側(えんがわ)」はあります。運営している株式会社Plus One代表の久保氏が抱く「原風景」と、組織を裏側から支える「役割」の形を追いました。イバキャリ学生ライターの鈴木が、インタビューから執筆までを行っております。「縁側」の心地よい空間の再現鈴木:本日はよろしくお願いします!まずは「縁側」というお店が始まった経緯と、その名前に込められた想いを教えてください。 久保 始まったきっかけは、鹿島神宮の駐車場のところにテナントが立つことになって、出店のお声掛けいただいたことでした。もともといっぱいテナントがあった場所を一度全部なくして、新しく作りますというタイミングでお誘いいただいたんです。鈴木:鹿島神宮の「玄関口」という非常に重要な場所での出店ですよね。 久保:そうですね 。店名の「縁側」というのは、僕が子供の頃に見ていた田舎の「家の縁側」がコンセプトになっています。昔の家って、畑仕事から帰ってきた人が、長靴を脱がずにそのまま縁側に腰掛けて、お茶を飲んで一服する...そういう風景があったじゃないですか。家の中というプライベートと、外というパブリック(公の場)の、ちょうど境界線にある「間(ま)」ですよね。鈴木:参拝の前後で、ふと一息つきたいタイミングに重なりますね。 久保:まさにそうです。神宮の奥にある「湧水茶屋一休」(詳細は他の記事をご覧ください)が、ゆっくり座って食事を楽しむ「奥座敷」だとしたら、ここは入り口にある「縁側」。参拝前の高揚感や、参拝後の心地よい疲れを、美味しい飲み物と一緒に整理してもらうための「間」を、いい時間にできたら素敵だなと考えています。展示会で出会った「本気ジュース」のストーリーに共感鈴木:提供されている「本気ジュース」についても伺わせてください。これは最初からこの商品で行こうと決めていたのですか? 久保:最初の出会いは展示会だったんですよ。そこで「本気ジュース」をやっているマス久本店さんというメーカーを見つけて、試飲をしたらおいしいなと思いました。専務さんから説明を聞いたら、すごく良いストーリーがあったんです。鈴木:展示会での出会いから、久保様が直接アプローチされたんですね。 久保:はい。その場で「うちやりたいです」って言いました。本来そこは、自然栽培で数が少ないから、本当に共感してくれる人にだけ売りたいという想いがあって、エントリーシートなどの選考に受からないと取引できないんです。でも、その場で伝えた熱意を気に入ってくださったのか、「久保さんだったら卸します」と、僕はエントリーシートも何も書かずに取引が始まりました。鈴木:まさに久保様の「共感」が道を切り拓いたんですね。 久保:今では実際にスタッフを連れて高知のゆず農家さんまで視察に行かせてもらったり、新作が出る前にサンプルを送っていただいたりと、12、3年という長いお付き合いをさせていただいています。縁側では、商品をテイクアウトで提供しています。テイクアウトは、飲食店と違って日常の空間で飲まれるものだからこそ、湧き水との配合を1cc単位で調整し、一口飲んだ瞬間に「本物だ」と伝わるクオリティを追求しています。売上では計れない「サポート」という役割の価値鈴木:「縁側」はグループ全体の裏方作業も担っているというお話がありましたが。 久保:はい。実は「縁側」はグループの中で売上規模としては一番低いんです。でも、社内の位置づけとしては「サポート」という大きな役割を担っています。例えば「湧水茶屋一休」のあんこを作ったり、そばを打ったり、「Espresso D Works」(詳細は他の記事をご覧ください)のパスタソースを仕込んだり、ドリンクカップに貼るシール貼りの内職をしたり...他店のサポートを縁側でいろいろやっているんです。鈴木:他店の大変な「裏方作業」をすべて引き受けているんですね。 久保:これ、組織をつくっていく上で凄く大事だと思っていて、飲食業界ってどうしても「売上が高い店舗が偉い」という空気になりがちですが、売上の低い「縁側」が他店を笑顔で助けている姿を見せることで、社内に「感謝のループ」や「助け合う文化」が生まれるんです。鈴木:組織全体の文化をこのお店が支えているんですね。 久保:そうですね。自分の利益より先に、相手を助けるという「見えない部分」を大事にしたい。働いている人たちが一番気にしているのは、社風や人間関係といった「見えない部分」ですから。その発信源として、縁側は大きな役割を担っているんです。「人」の尊さを守りながら、仕組みへとつないでいく鈴木:今、縁側を担当されているスタッフの方も、非常に前向きに仕事に取り組まれているようですね。 久保:彼女は本当にスペシャルですね。仕事へのエネルギーは人一倍あり、他人や他店のサポートを楽しんでできるような人です。他店の仕込みも「大変そうだから私にちょうだい」と自らもらってきたり、僕がまだ許可していないのに自分でそば打ちを練習してしまったり(笑)。そんな彼女のキャラクターがあるからこそ、今の「サポートの文化」ができています。鈴木:今後の課題としては、どのようなことをお考えですか。 久保:今は彼女という特定の個人に頼っている部分が大きいですが、今後はチームや「仕組み」で同じことができるように変えていかなければならないと思っています。属人性から脱却して仕組み化することは、いい文化を長く続けるためのうちの課題ですね。これからも鹿島の玄関口で、この「間」と「想い」を大切に守り続けていきたいです。インタビューを終えて株式会社Plus Onの中で、「縁側」というお店がどれほど大きな存在であるかを認識するインタビューになりました。組織には様々な役割があり、様々な価値の出し方があります。そのときに重要なのが、数字などの目に見えている価値だけでなく、まだ目に見えていないような無形の価値にも目を向けることだと思います。とある有名な評価ツールでは、評価の視点として「財務の視点」「顧客の視点」「社内業務プロセスの視点」「学習と成長(組織)の視点」の4つの視点があると言われています。詳細は長くなるため、ここでは書きませんが、このように評価や価値の出し方を様々な視点で多角的に見ていくことで、今回のようなお店の価値だけでなく、組織を構成している人それぞれの価値や重要性を見出すことができるのではないでしょうか。
株式会社キャリコ
なぜ、企業名を隠した合説を開催するのか。
なぜ「コトバとシゴト」というイベントを開催するのか今年、私たちキャリコが「言葉と仕事」というイベントを開催する理由は、とてもシンプルで、同時にずっと違和感を抱いてきた“ある当たり前”に対する問題提起でもあります。それは、就職活動や企業選びが「企業名」から始まりすぎているということです。企業名で選ぶ就活は、本当に本人のためになっているのか合同説明会に行くと、多くの学生がまず企業名やロゴを見てブースを回ります。「聞いたことがある」「大きそう」「有名だから」そうした理由で企業を選ぶこと自体が悪いわけではありません。ただ一方で、その時点で本当は合っていたかもしれない企業自分の価値観や強みが活きる仕事成長できる環境そういった可能性を、自分自身で無意識に切り捨ててしまっているケースが非常に多いと感じています。これは学生だけの問題ではなく、社会全体がつくってきた構造でもあります。 「良い会社=有名な会社」という空気の中で、選択肢が狭まっていく。 その結果、「自分が何を大切にして働きたいのか」を考える前に、企業名で判断してしまう。私たちは、そこに強い違和感を持ってきました。だからこそ、企業名を“隠す”という選択をした「コトバとシゴト」では、あえて企業名を伏せた状態でイベントを進めます。会社名・業種名・規模といった情報は、最初からは出しません。代わりに伝えるのは、どんな想いで仕事をしているのかどんな価値観を大切にしているのか日々どんな判断をして、どんな葛藤があるのか仕事を通じて、どんな人生を歩んでいるのかつまり、「仕事をしている人の言葉」です。企業名を隠すことで、学生は 「知っているかどうか」ではなく、 「自分がどう感じたか」「何に共感したか」で話を聞くことになります。これは、合同説明会へのアンチテーゼでもありますが、 それ以上に、「自分の感覚を信じて選ぶ」という体験をしてほしいという願いでもあります。「言葉」を起点に、仕事と出会うということこのイベント名を「コトバとシゴト」にしたのも、意図があります。仕事の本質は、職種や肩書きよりも前に、 どんな言葉で語られているかに表れると考えているからです。どんな言葉で仲間を語るのかどんな言葉で失敗を語るのかどんな言葉で未来を語るのかその言葉の選び方に、その人やその企業の“らしさ”がにじみ出ると考えています。学生には、 「この会社、名前は知らないけど、この人の言葉は好きだな」 「この考え方、自分に近いかもしれない」そんな直感を大切にしてほしい。そして同時に、 自分自身も“どんな言葉で仕事を語りたいか”を考えるキッカケになってほしいと思っています。1・2年生のうちから参加できる理由このイベントは、就活直前の学生だけを対象にしていません。 むしろ、大学1・2年生にこそ参加してほしいと考えています。理由は明確で、 就活が始まってからでは、どうしても 「内定」「条件」「周囲との比較」が判断軸になってしまうからです。まだ余白・考える余裕がある時期に、世の中にはどんな仕事があるのか働くことには、どんな選択肢があるのか自分は何に違和感を覚え、何にワクワクするのかそういったことを、評価も正解もない状態で考える。 それができるのが、1・2年生のタイミングだと考えています。「早く決める」ためのイベントではなく、 「考える軸を増やす」ためのイベント。 それが「コトバとシゴト」です。偶然を、意味あるキャリアに変えるという考え方このイベントの背景には、「プランド・ハプンスタンス・セオリー(Planned Happenstance Theory)」というキャリア理論の考え方もあります。これは、 キャリアの多くは事前に完璧に計画されたものではなく、 偶然の出会いや予期せぬ出来事によって形づくられていく、 という考え方です。重要なのは、「偶然を避けること」ではなく、 偶然が起きたときに、それを意味あるものとして活かせるかどうか。・知らなかった仕事に触れる ・想定していなかった価値観に出会う ・名前ではなく、人や言葉に心が動くこうした小さな偶然の積み重ねが、 後から振り返ったときに「自分らしいキャリア」につながっていく。「コトバとシゴト」は、 その“良質な偶然”を意図的につくる場でもあります。最後に:企業名を隠しているけれど、来ている企業はホンモノです誤解のないようにお伝えすると、 企業名は伏せていますが、決して“正体不明の企業”が集まっているわけではありません。実際には、 群馬県を代表するような、本当に良い企業、 人や仕事に誠実に向き合い続けてきた企業が、このイベントに参加してくれています。ただ、その魅力を 「会社名」ではなく 「人の言葉」から知ってほしい。それが、私たちキャリコが「コトバとシゴト」を開催する理由です。
株式会社キャリコ
ALL GIS AWARD アドバンス賞を受賞しました!
このたび、ALL GIS AWARD にてアドバンス賞を受賞することができました!応援してくださった皆さま、 そして日頃から関わってくださっている方々に、 心から感謝しています。本記事では、 「どんな内容のプレゼンをしたのか」 について、当日お話しした内容をもとにまとめます。原点は、前橋市主催の起業家セミナーでした今回のプレゼンは、 いきなり事業の話から始めたわけではありません。起業をすることになった原点からお話しをはじめました。私の群馬での創業の原点は、前橋市主催の起業家セミナーに参加したことです。↓下記は、その時のセミナー情報(めちゃくちゃ懐かしいです・・・。これ添付していいんですかね・・・。世の中に出ているものだからいいんですよね・・・?不都合ある方いらっしゃいましたらご連絡ください!)実は当時、私は GIS(群馬イノベーションスクール) の存在も知らず、GISを知ったのはGIS応募締切日のたったの 1日前 でした。「どうしようかな」と迷いながらも、 その夜、徹夜で申込書を書きました。今振り返ると、 あの徹夜で書いた申込みこそが、 私がいまここに立っている原点だったと思っています。GISで感じた「何者でもない自分」と最初の挑戦その後、GIS3期生として参加することになります。会場に行ってみると、 周りは経営者ばかり。 大学生だった私は、 語れる実績も、特別なスキルもありませんでした。「このままじゃいられない」そう感じた中で、 大学3年生のときに始めたのが 飲み会就活でした。起業家を目指していたわけではありません。 ただ、 場をつくることなら自分にもできるかもしれないそう思って始めた挑戦です。その挑戦を、 GISの皆さんは本気で応援してくれました。その中で、 群馬に居場所ができ、 群馬で挑戦する理由が生まれていきました。10年やり続けて残った言葉「キッカケデザイン」そこから約10年。 正解が分からないまま、 とにかく出会いをつくり続けてきました。その結果として生まれた言葉が、「キッカケデザイン」です。(商標登録申請中です。自分たちの言葉にしていきます。)キッカケデザインとは、 人や企業、地域の中にもともとある可能性が、 動き出す“きっかけ”をつくること。教えることでも、 無理に変えることでもなく、 キッカケをつくること。この考え方が、 今回のプレゼンの軸になっています。地域には良い企業がたくさんある。でも…プレゼンの中盤では、私たちが向き合っている 地域課題 についてお話ししました。地域には、本当に良い企業がたくさんあります。日本のモノづくりや価値を支えているのは、多くの場合、地域企業です。それにもかかわらず、企業側は、自分たちの価値や想いを十分に言語化・発信できていない。一方で若者は、会社の中身ではなく、ネームバリューや条件で選ばざるを得ない。これは、誰が悪いわけでもありません。ただ、構造的にすごくもったいない状況だと思っています。ストーリーが見えていない、という課題なぜ、こうしたことが起きるのか。私たちの仮説はシンプルです。地域企業のストーリーが見えていない。つまり、企業ブランディングが十分にされていない。でも視点を変えると、 地域企業こそ、 歴史や想い、人の物語にあふれた 「物語の宝庫」です。それらは、 きちんと言語化されれば、資産になる。AI時代だからこそ、物語が重要になるそして、これからは AIが仕事をレコメンドする時代になります。条件や会社概要だけでなく、 「どんな文脈や物語を持った企業なのか」が、 より重要になっていく。Web上に物語がなければ、そもそも選択肢に入らない時代が来る。だからこそ今、地域企業の物語を意図的に言語化し、残していく必要があると考えています。だから、グンキャリを始めましたこうした背景から生まれたのが、グンキャリです。グンキャリは、群馬県に特化した企業ブランディング × 採用広報メディア。条件で人を集めるのではなく、企業の想いや背景、ストーリーに 共感して集まる「共感採用」を軸にしています。グンキャリは 完全無料で、群馬県に法人があれば、どなたでも登録・掲載が可能です。企業自身が、自分たちの言葉で、物語を更新し続けられることも特徴です。私たちが大切にしているメッセージは、 「地域で挑む企業に、地域で挑む人材を」。Color the Stories.私たちが目指すビジョンは、 Color the Stories. ー物語が彩られた社会へ ー 伝えきれていない地域・人・企業の 物語 を発掘し、翻訳し、 新たな価値として社会に彩りを届ける。まずは群馬で型をつくり、北関東へ、そして全国へ。挑戦はまだ始まったばかりです!-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------今回の受賞について、正直な気持ちとしては、事業内容そのものよりも、GISに入学してからの10年間の過程を評価していただいたのではないかと感じています。 (私よりもビジネスとしての完成度が高いプレゼンがたくさんありましたので・・・。ありがとうございます。)そういえば、大人になってなにかの賞を受賞する機会はありませんでしたので、素直に嬉しかったですm(__)mこれまで以上に張り切って、張り切って、張り切って参ります!最後までお読みいただき、ありがとうございました!
株式会社キャリコ
AI時代の採用は、「文化を蓄積する会社」だけが選ばれる── 一過性の広告から、構造化とストーリーの時代へ
近い未来、私たちの働き方や企業選びは根本から変わろうとしている。 これまでの採用は「求人票を探す」「エントリーする」「比較する」という“検索の時代”だった。しかしAIが当たり前になりつつある今、求職者は求人を探さなくなる。代わりに、AIがあなたに合う会社を推薦してくる未来が、すぐそこまで来ている。Netflixの映画リコメンドのように、AIは求職者の価値観や性格、働き方の好み、地域志向、人間関係のタイプまで理解し、そこに合う企業を見つけてくれる。「この会社があなたに合う理由」までも言語化し、相性スコアとして示す。それがこれからの採用のスタンダードになる。しかし、この流れにはひとつ大きな前提がある。AIが企業の“性格”や“文化”を理解できるだけの情報が、その企業に蓄積されていること。今の求人広告は、その前提を満たしていない。むしろ、満たす構造になっていない。■ 一過性の広告では、企業文化は蓄積しない広告は基本的に“今すぐ採用したい”企業が、短期間で応募を集めるためにつくられたものだ。給与、福利厚生、勤務地、キャッチコピー。 確かに必要な情報ではあるが、これは企業のごく表面的な“点”しか描いていない。広告の情報は浅く、ストックされず、期間が終われば消える。広告は企業文化を蓄積する仕組みにはなっていない。企業が本当に持っている価値は、広告の「点」では伝わらない。企業の文化とは本来、社長が何を大事にしているか若手がどんな気持ちで働いているかチームの雰囲気仕事のやり方地域で果たしている役割その企業が何を信じているか歴史や変遷日常の小さな習慣こうした“温度”や“物語”の積み重ねでできている。 これらは広告では切り取れない。まして、3ヶ月の枠で伝わるはずがない。だから、どんなに広告を打っても文化が積み上がらず、AIに理解されるだけの厚みを持てない。 そして結果として、その企業は未来のAIマッチングに登場しなくなる。■ AIが求めているのは「文化データ」であるAIは、求人票などの箇条書き情報から本質的な“企業の性格”を理解することは難しい。 むしろAIが得意なのは、文章・会話・ストーリーなど、生きた情報を構造化することだ。たとえば企業のインタビュー記事をAIに読ませると、AIはこう動く。① 情報を要素に“分解”するPurpose(存在意義)Story(歴史)Values(価値観)Culture(働く空気)Team(社員の性格)Persona(求める人物像)文章のなかに散らばる意味の塊を細かく抽出する。② それを意味ごとに“整理=構造化”する株式会社キャリコでいうと、伴走文化挑戦文化地域志向若者育成型創造的組織社長の距離感このように、企業の「性格」が自動的に浮かび上がる。③ 求職者側も同じように構造化できる価値観(意義重視/安定志向など)成長欲コミュニケーションスタイル地域への興味働き方のタイプ④ 双方をAIがマッチングする「あなたとこの企業の一致率86%。理由は価値観と文化の一致です」この“構造化 → マッチング”が、未来の採用の標準になる。その入り口が、そもそも構造化できるだけの“文化データ”が、その企業に存在しているかどうかなのだ。■ だからこそ、ストーリーの蓄積が企業の武器になるストーリーは、AIにとって最高の“文化データ”だ。 社長の言葉、若手社員の声、会社の日常、背景、地域との関係、価値観の揺れ。 ストーリーは、企業の“らしさ”をもっとも濃度高く含んでいる。企業文化とはストーリーの地層だ。 一過性の広告が点を打つのに対して、ストーリーは線になり、面になり、そして文化になる。 構造化は、企業文化を“AIが読める情報”へと変換する作業だ。文化が蓄積されている企業は、AI時代に強くなる。 文化が薄い企業は、AIの推薦に乗らず、求職者に届かない。未来の採用は、 「情報量が多い企業」ではなく、「文化が厚い企業」が選ばれる時代になる。■ 地方企業こそ、この流れで勝てる地方企業はネガティブに捉えられがちだが、実はストーリーの宝庫だ。社長が近い人の温度が濃い地域との結びつきが強い若手が挑戦しやすい歴史が詰まっている存在意義がわかりやすいこれはすべてAIが好む“文化データ”であり、ストーリーとして表現しやすい素材だ。だから、ストーリーを丁寧に蓄積できる地方企業は、 AI時代の採用で強みを発揮できる可能性がある。実際、文化の厚みで勝負できるのは、歴史のある地方企業ならではの武器でもある。■ ストーリーを蓄積するメディアが、地域の採用インフラになる一過性の広告では文化が残らない。 企業の過去と現在と未来をつなぐ“物語のアーカイブ”こそ、これからの地域に必要とされる。つまり、 地域企業の文化を蓄積し、構造化可能な形でストックするメディアが不可欠になる。それが、グンキャリイバキャリトチキャリのようなローカルメディアの本質的な価値になる。地域企業の“文化データベース”をつくることは、 そのまま地域の未来の採用力をつくることになる。■ AI時代の採用は「価値観のマッチング」へ進化する求人票の時代は終わりつつある。 広告の時代はもう限界が見えている。 これから訪れるのは、文化 × ストーリー × 構造化 × マッチングが中心に来る採用の時代だ。求職者は自分に合う企業を“探す”のではなく、 AIが自分に合う会社を見つけてくれる時代になる。企業は広告を打つのではなく、 文化を蓄積し、ストーリーを伝えることで選ばれる時代になる。地方企業は知名度ではなく、 文化の厚みで勝負する時代になる。その未来において、 文化を蓄積し、構造化できる場所を提供する存在こそ、 地域の採用を根本から変える。■ 企業文化がAIに読み取られ、未来の採用を決める一過性の広告では何も残らない。 文化は時間をかけて積み重ねるしかない。だからこそ、 MVVやストーリーが必要であり、 文化を蓄積するメディアが必要であり、 構造化とマッチングが未来の採用を形作る。AI時代の採用は、 “文化がある企業”が勝ち、 “文化を蓄積するメディア”が地域を救う。グンキャリが掲げている方向性は、 この未来の中心に位置している。採用の未来は、広告ではなく文化だ。 データではなくストーリーだ。 検索ではなくマッチングだ。 そのすべてが、AIによってつながり、可視化されていく。これが、これから10年の採用の大きな流れだ。だからこそ、キャリコは採用広報メディアを”無料”で解放します。企業の規模や働く条件だけではなく、企業の想いや志の高さが、採用力になる未来を信じて・・・!